本当に自然と生きている人たち
普段は車でバビュンのところ。
歩いてみると、ふとした光景に目がとまる。
下り坂のカーブのところに田んぼがあった。
色とりどりの何かを、お父さんはせっせと数え、お母さんはえっこらえっこらと運んでいる。
「こんにちは~」
と声をかけると、挨拶を返してくださった。
「ちょっとそっちに行ってもいいですか?」
と聞くと、「いいよ」との返事。
コンクリートの上で育った自分にとって、この光景は初めてだった。
聞くと、お田植えの時期に合わせて、苗を育てているという。
ピートバンに均等にモミダネを蒔く。
一号六尺(?)分と決まっているとのこと。
あまり蒔きすぎると、均一に育たないから。
別のところに「育苗」の装置があって、発芽させる。そしてここに移動して、さらに育てていく。
蒔いて1か月くらいで田植えに適した大きさになるらしい。
こうしてシートを被せて育てている。
お母さんがせっせと並べていたのは、これからシートを被せる準備だった模様。
おお、これがあの美味しい、いつも食べているお米の一番最初か~!!と思うと、感無量。
大事に、大事に、育てられ、お田植えで大地に根を下ろし、自分たちでぐんぐん育ち、そして実りの秋を迎える。
日本の四季は美しい。
その自然と一番共に生きているのは、きっとこういう方たちなんだろうな、と思った。
自然に憧れて、いろいろとこだわった農業や、ナチュラルなライフスタイルを田舎で実践する若い人たちが増えた。
それでもその姿に若干の違和感を覚えるのは、なんとなく「自然」ではないように見えてしまうからかもしれない。
先輩たちから学ぶことは多い。
スタイル、だけではなくて、その「心」を学びたい。
そう思わせられたひと時だった。