こどもとおとな
先日、ラジオ体操で闘争心に火をつけてくれた姪っこが、昨日からお泊りしていた。
両親は仕事、妹は幼稚園、卒園した彼女だけが家で独りぼっち。
一人で留守番は退屈、というので我が家へやってきた。
そうはいっても、うちにきてもテレビを見ているだけ。
人形遊びをしよう、と言われてもだいぶ困る。
そろそろ「オセロ」ができるかな?と思い、教えながら一緒にやってみたら、なかなか強い。
私が弱いだけなのかもしれないけれど、4戦やって2勝2敗。
6歳(先日7歳と書いたけれど間違っていました、すみません)ながら、あなどれない。
考えないといけないので、途中で放り出すかな?と思いきや、意外と粘り強く立ち向かってくる。もう小さな大人である。
子供向けのテレビは、教育テレビをはじめ充実している。
テレビさえ見させておけば、子供は勝手にしているもんである。
しかしながら、どこかつまらない。
私は図書館に連れて行き、本を一緒に選んだ。
彼女は大好きな恐竜の図鑑を選び、満足そうだった。
いやそうじゃないだろう。
図鑑も大事だけれど、「ものがたり」も大事だ。
読めそうな本、絵本より少しグレードを上げて、自分で興味をもって読める本・・・。
たどりついたのは『こまったさんシリーズ』。
試しに1冊読み聞かせてあげると、けっこう真剣に聞いている。
文字も目できちんと追えている。
結局、その1冊も自分で借りて帰った。
家に戻ると、手も洗わずにその本を読んでいた。
よしよし。
夕飯はカレー。
暇そうな彼女を呼び出し、いっしょに台所に立つ。
小ぶりな包丁を持たせ、危なくない範囲で野菜を切らせる。
子供用の包丁があるが、それでは「危ない」を体感できない。
どこをどうしたら危ないのか、どうすれば安全か。
ちょうど先日指を包丁で切ったばかりだったので、私の傷口を見せながら包丁を使わせた。
大人と同じものを使って、大人と同じことをしてみる。
大人が子供についていられる時期だからこそ、やらなければいけないことだと思った。
「待機児童が多い」と言われる。
少子化なのに、なぜ?と思ってしまう。
子供を預けて働かないと、食べていけない。
本当にそうだろうか。
「こども」という大事な時期を、他人の手に預けてしまっていいのか。
「おとな」の勝手な都合で、テレビ番組はつくられ、ゲームはつくられ、鳥かごのような環境がつくられている。
本当の「危ない」を知らずに、ただただ、大人が管理しやすいように子供は育てられる。
今の子供たちはかわいそうだ。
そりゃ世の中、物騒だ。
だけれど、20年前だってもっと物騒だった。
子供だって、失敗して、理解できないことにぶつかって、でもそれを乗り越えて「成長」する。
大人と一緒だ。
違うのは、まだ大人の導きが必要だということ。
保護する、ではなく、そっと見守ろう。
もっと子供が、子供らしく生きられる社会にすることが、大人の役目だろう。
そんなことを考えさせられた2日間だった。