「あきらめるな」とジョーダンは言った
先日、一番苦手な仕事“電話”、で苦戦していると書いた。
電話の仕事が始まって5日目。
ストレスはたまる一方である。
朝は起きれず、四六時中気が重い。
体の調子も悪い。
全身からやる気が失われ、大好きな”空”を見る余裕もない。
今日など帰り道、ラジオを聞きながら、ふと気がついたら「今日の電話の反省と気の重い明日の電話」のことをずっと考えていて、上の空で歩いていた。
「乗り越えた先を見る」のは、果てしなく遠い道のりである。
今のバイト先は、バイトでも能力に応じていろんな仕事をしている人がいる。
私は残念ながら目立った能力も、残業を何時間もする気力もないので、だいたい誰でもできる仕事が回ってくる。
それが”電話”だった。
まわりでは、けっこう専門的な仕事をバイトさんが任されて、あくせくと働いている。
とても充実して働いているように見えて、電話の仕事が始まって以来、ますます羨ましく思う日々である。
ひるがえって自分は電話。
ただひたすら、どう出るかわからない相手の反応におびえながら、電話をかけている。
未だに小さい人間なのである。
金曜日の帰り道。
やっぱりラジオを聞いていた。
そこから聞こえてきたのは、マイケル・ジョーダンの名言だった。
「一度でもあきらめてしまうと、それが癖になる。絶対にあきらめるな」
まさに私の人生。
「あきらめ」が「癖」になる。
すごくよくわかる。
だからとにかく、今のバイト先で最後となるこの一番苦手な仕事を、あきらめたくない。
でもいつも頭をかすめる。
「どうせ辞めるんだから、適当に取り繕って早めに辞めてしまおうか」
そのたびに思い直す。
「そうだ。私がラジオでジョーダンの言葉を聞いたのは偶然じゃない。ここであきらめたら、また同じことを繰り返してしまう。次のバイトも、今目指していることも、きっと投げ出してしまう」
明日も気が重い。
毎日気が重い。
それでも私は出社して電話をする。
乗り越えた先の空を見ようじゃないか。