心の筋肉痛、でも・・・
「最近は努力をしなくてもいい、といったような本や講演が目立ちます。頑張らなくてもいい、という風潮なんでしょうが、それは甘えです」
ラジオを聴いていたら、ある経営コンサルタントの人が言っていた。
いやでも毎日頑張っている人に「努力しないのは甘えだ!」というのは酷だよ、とやや否定的に聞いていたら、どうもそうじゃないらしい。
「頑張りすぎる人に、これ以上頑張れというのではありません。ただ、何事も結局は努力なくして成し遂げられない。成功者は、あたかもすぐに成功したかのように言いますが、誰しも陰で苦労しているんです。そこを語らないから、悪い。若い人は、何か言われるとすぐ萎縮してしまう。だから上司も何も言わなくなる。そうじゃないんです。少しずつ、ストレスに耐性をつけていかないと、本当にいざというときに力が出ない。それじゃダメなんです」
ごもっとも。
最後はすごく共感しながら話を聞いていました。
「心に筋肉痛を起こさせながら、心も鍛えること」
が、本当の持力をつける上で大切なんですね。
今日、いつも気になっていたお店に勇気をもって入ってみた。
いわゆる昔ながらの「紙屋」で、入るには敷居が高い。
でも文房具など売っているし、店内も明るいしで、意外とウェルカムかも・・・と。
「カミモノ」を扱う自分としては、「紙屋」はチェック対象なので、いつか入らねばと思ってはいた。
入った。
私「こんにちは」(店内を見回す)
店主「何か?」
私「いえ・・・、和紙を探しに来ました」(しょうがないので和紙売り場だけ探す)
私「すみません、自然のもので色付けした和紙はありますか?」
店主「うちにはない。全部化学染料」
私「すみません、ありがとうございました」(退店)
以上、たぶん1分。
威圧感のある店主の男性。
店内の見える事務所でテレビを見ていて、まったくこちらに関心がない。
元接客業として見ると、ゆるすまじき・・・行為、態度。
以前の私なら心の中で、ものすごく罵って、家に帰っても愚痴をこぼした。
しかし、自分の怒りの導火線に火が点く前に、こう思ってみた。
「これは心の筋肉痛だ。痛い、痛いぞ!!いいぞ、この痛みだ!これで私は強くなる。この経験に感謝だ」
そう思って200mほど歩いたら、今回意を決してのぞんだ自分をほめていた。
もし入らず、ずっと片思いのままだったら、私はこのお店に対して、永遠の憧れを無駄に抱いていただろう。
でもそれがたった1分でなくなった!
しかも、私に心の筋肉痛というプレゼントを与えてくれたうえ、「紙屋」なんて伝統と昔の繁栄に支えられた虚栄心の塊だ、ということを改めて認識させてくれた。
素晴らしい!!
でも、言いたい。
こういう「紙屋」も日本の伝統文化である「和紙」「紙漉き」を、ここまで追い込んだのである、ということを。
彼のお店はそりゃ伝統もあるだろう。
実績もあるだろう。
売れなくても、上のビルから家賃が降りてくるだろう。
でもそれは、存在しているだけで、紙たちにとっては「倉庫」でしかない。
生きている「紙」を使いたい。
それには「紙屋」を通しちゃいけない。
そのことにも改めて気付いた、心の筋肉痛だった。
思わぬ成果。
わたしは負けんぞ~!!