考えないこと。
どんな顔して会おうか。
何を話せばいいのか。
謝るのか、開き直るのか。
言い訳をするのか、忘れたふりをするのか。
気を使うべきなのか、聞かない方がいいのか。
大島に行く前日まで、あれこれ考えていた。
なんで安請け合いしたんだ、自分!
と、責めてもみた。
そして、もう考えるのをやめて、向かってみた。
船は前日の低気圧の影響で、条件付き出港。
波を切って走る船の中で、着かなかったらそれはそれで運命。
着いたら着いたでそれも運命、と開き直った。
そして、文字通り荒波を乗り越えて、伊豆大島に入港。
下船時に早くも知り合いとバッタリ鉢合わせ。
「考えない、考えない」
余計なことを考えず、当たり障りのない感じで、会話。
向こうもそんな感じ。
気を使わせてしまった。
それでも、今までの身勝手な自分を振り返ると、一歩前進。
下船して、またも知り合い。
さらに来る予定ではなかった、今回の仕事の依頼主件元上司も登場。
「考えない、考えない」
なんだ、私は考え過ぎて見えていなかっただけじゃないか。
話すうちに、そんなことに気付かされてしまった。
鮮やかな「ムラサキシキブ」。
いくらきれいでも、目に入ってこなければ見えない。
気付くことができたのは、自然と何かを探していたからかもしれない。
自分の悪い所。
相手の良い所。
考え過ぎていたから、見えなかったのかもしれない。
リラックスして、ただ自然と探していたから、わかったのかもしれない。
ひょんなことから、伊豆大島に行って、そこで働いて、生活して、そして自分の壁にぶち当たって、挫折して、逃げ出して。
そして3か月後、また行くことができて。
この経験は決して無駄じゃなかった。
さあ、ここからまた積み重ねよう!