今日のドンキホーテの名言
読書だって途中で投げ出しますが、読み切る本もたくさんあります。
でも読みかけの本のほうが多いかもしれない・・・。
人生といっしょ?
それでも1年と8か月かけて読んでいるのが、
「ドン・キホーテ」(セルバンテス・作/牛島信明・訳、岩波文庫)です。
資格をとるために学校に通っていた時、スペイン大好きな先生が推していた作品。
有名な作品ではありながら読んだことがなかったのは、戯曲かと思っていたから。
戯曲は未だにチャレンジできていない本がたくさん。対話形式で登場人物が多く、なんとなく読みにくいと感じる分野です。
探しあててビックリ。全6巻?!しかも平均して450pくらいあり、1冊900円前後。でも戯曲ではなかったので、本屋のオヤジさんに挑戦する意向を告げ、読書開始。これがなんと面白いこと!!
かなり多い注釈も、注釈自体が面白いので問題なし。
途中にステキな挿絵もあって、想像がふくらみます。
ドン・キホーテの尋常ではない妄想と行動、従士サンチョの愉快な発言。一見するとドタバタ話ですが、これが人生に結びつくようなセリフがいっぱい。
というわけで、今日読んでいたところで見つけた言葉。
実際には起こっていないことを信じて語るサンチョに、公爵夫人が言ったこと。
「片側からちらっとじゃ、人が眺めるものの全体はみわたせないものよ。」
(「ドン・キホーテ」後篇(二)セルバンテス・作/牛島信明・訳、岩波文庫、279p)
ちらっと見ただけ、しかも片側から。それで全体を見た、というのはいえません。当たり前のことですが、なんとなく心当たりが。そしてそれを全体と思いこんで固執した考えになってしまう。両側からじっくり見れば、見えなかった部分も見えて、全体が明らかになるのに。ついつい「片側からちらっと」で終わらせてしまう。で、失敗すると。情報があふれている昨今だからこそ、気をつけようと思いました。
今日も一つ学びました。ありがとう、サンチョ。